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毎日開いている、寄席。
常設の寄席、「定席」。
一口に寄席といっても、実は種類があります。
区分の仕方も様々ですが、最もわかりやすいのが「定席」の寄席かどうかでしょう。
基本的に一年中開かれている「常設の寄席」のことを「定席」と呼びます。
定席寄席に出演できるのは、落語芸術か落語芸術教会に所属する二つ目以上の芸人に限られます。(開口一番のみ前座が努めますが、番組には記載されず、その次にあがる二つ目の落語からが正式な出番になります)
ひと月を「上席」「中席」「下席」に分けて興行をするので、大体10日ごとに出演者がかわります。
また、1日の興行は「昼席」と「夜席」に分かれ、日によって客席の入れ替えの有る無しがあります。
もし入れ替えのない日に行けば、昼から夜までチケット一枚で見放題です!
持ち時間は基本的に、1人15分で入れ替わり立ち替わり舞台に芸人さんが現れます。
最後の出番は「トリ」と呼ばれ、そこに出演する真打の師匠、先生はその興行中の顔になります。「主任」と表記され、持ち時間はたっぷり30分〜、会によっては45分ほどあります。
そもそもどこにあるの?
定席は都内に5つ、全国にもあります。
寄席は、その存在はみんな知ってはいるものの、まわりを見渡しても行ったことのある人はほぼいないという、謎の多い場所です。
大抵は繁華街の一角にあります。歴史を感じる建築もあれば、国立の立派なホールもあります。
東京には定席は、
- 「新宿末廣亭」
- 「鈴本演芸場」
- 「浅草演芸ホール」
- 「池袋演芸場」
- 「国立演芸場」
があります。
都内に住んでる人はラッキー!
東京以外だと、
- 大阪には「天満天神繁昌亭」(てんまてんじんはんじょうてい)
- 名古屋に「大須演芸場」
- 仙台に「魅知国定席 花座」(みちのくじょうせきはなざ)
- 神戸に「喜楽館」
があります。
それぞれの小屋に、土地の歴史を感じます。
ちなみに、浅草にある浪曲専門の小屋である「木馬亭」も、浪曲界では定席と呼ばれており、毎月月初の十日間興行をしています。(*現在は感染症の影響で七日。)
出演者は浪曲師と、講談師一人のみの番組で、落語家や他の色物は基本的に出ません。
持ち時間は一人たっぷり30分!
開口一番のみ15分ですが、まさに1日たっぷりと浪曲の節に酔える、すこし特殊な場所です。
他の寄席はどこにあるの?(東京近辺)
予定を確認して出かけてみよう。それ以外の演芸場
定席以外にも魅力的な寄席は全国にあります。
特に、都内にはいくつも個性的な寄席が開かれています。
- 落語協会主宰寄席「落語協会 黒門亭」
- 落語芸術教会主宰寄席「永谷お江戸日本橋亭」
- 圓楽一門の寄席”両国亭”を開催する「永谷お江戸両国亭」
- 圓楽一門や立川流も出演する「永谷お江戸上野広小路亭」
- 二ツ目専門の寄席「神田連雀亭」
- 常設の地域寄席「梶原いろは亭」
などがあります。
バリエーション豊か!
立川流、圓楽一門の芸人さんは基本的に定席には出演できません。そのため、自分たちのやれる新たな寄席をつくりあげました。
また、定席では開口一番後の落語でしか出番のない二ツ目さん専用の寄席がうまれたりと、それぞれ逆境のなか、自分たちが芸をできる場所を開拓したのが、この多様さにつながっています。
また、横浜には「横浜にぎわい座」があります。
こちらも、都内の定席に負けず、豪華な番組の寄席です。
毎月、月初の七日間興行しています。
ぜひ、お近くの寄席に足を運んでみてください!